高瀬ダムの朝は、これから始まる長い山旅を前に、少しだけ緊張していました。
目の前に待っているのは、日本三大急登のひとつといわれるブナ立尾根。
登っても登ってもなかなか終わらない道に息を切らしながら、それでも少しずつ空が広くなっていくのを感じると、もう少しだけ頑張ろうと思えました。
烏帽子小屋に着いて、遠くに高瀬ダムを見下ろしたとき、ここまで歩いてきた時間が静かに胸に残りました。
その先には、烏帽子岳、野口五郎岳、水晶小屋、三俣山荘、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六小屋へと続く、北アルプスの奥深い道が待っています。
槍ヶ岳が遠くに見えた瞬間。
黒部源流の近くで感じた静けさ。
長い稜線の先に、次の山小屋が見えたときの安心感。
ひとつひとつの景色が、歩いた足の重さと一緒に、忘れられない記憶になりました。
これは、夏の裏銀座を単独テント泊で歩いた、長くて静かな北アルプスの山旅の記録です
高瀬ダムから始まる、裏銀座の山旅
信濃大町から七倉山荘へ向かい、翌朝、高瀬ダムから裏銀座の山旅が始まりました。
ブナ立尾根の長い急登を越えると、烏帽子小屋の先には北アルプスの奥深い稜線が広がっていきます。
烏帽子岳、野口五郎岳、水晶小屋、三俣山荘、鷲羽岳、そして双六小屋へ。
晴れた空だけではなく、雲に包まれる時間や、雨の中で立ち止まる日もありました。
それでも、槍ヶ岳や鷲羽岳、水晶岳が雲の切れ間に見えた瞬間は、長い道のりの疲れを静かにほどいてくれるようでした。
ここから、夏の裏銀座をたどる山旅が始まります。
信濃大町駅から、七倉山荘へ

16:15 信濃本町駅に到着しました。
なかなか立派な駅です。
ここからタクシーで七倉山荘へ向かいます。
七倉山荘で過ごす、山旅前夜


17:00 七倉山荘に到着しました。
タクシーで30分、結構奥に入ります。
本日はこの宿でお世話になります。

七倉山荘の食堂の一部です。
テラスになっており、バーベキューなどもできるようです。
素泊まりにしてしまったのが悔やまれます。
温泉もあり、とても快適でした。

部屋はこんな感じです。
本日はこれで終了です。
明日は高瀬ダムから烏帽子岳に向かいます。
朝の高瀬ダムから、裏銀座の入口へ

5:10 ここからタクシーで高瀬ダムに行きます。
前日に予約しているため、他のメンバーと目的地は同じなので乗り合いします。
※一般車両は通行できないようです。
ブナ立尾根の急登を越えて


5:40 高瀬ダムに到着しました。

高瀬ダムからの景色です。
七倉山荘からタクシーで通ってきた道路が見えます。

ここからあのトンネル(不動沢トンネル)を通り、登山口を目指します。

トンネルを抜けると濁沢キャンプ場がありました。
全くノーマークでしたが、ここにテント泊するのもありでしたね。






6:10 裏銀座登山口(ブナ立尾根登山口)に到着しました。
高瀬ダム登山口とも書いてありますが、どれが正しいのでしょうか。
見えずらいですが、「北アルプス裏銀座登山口」の黄色い標識の上部に「12」と書かれています。
この登山道は登山の目安として12分割された指標があり、山頂が近づくと数字が少なくなっていきます。
つまりスタートが12/12でゴールが0/12というわけです。

いきなり急登が始まります。

7:20 「権太落し」です。まだ9/12のようですね。先は長いです。



8:30 6/12ですね。ようやくブナ立尾根の中間地点です。


5/12です。
このブナ立尾根がなぜキツイかというと、恐らく平坦な個所がないからでしょう。
以前登った合戦尾根に似ていますが、合戦尾根は休憩する場所が充実していて平坦個所もそれなりにあった気がします。


三角点とありますが、どこの山の三角点なのでしょう。

「タヌキ岩」です。
こちらもどこがタヌキなのかよくわかりませんが。


10:30 2/12 地点まできました。
地図で見るとまだ結構先があります。
あと1時間くらいでしょうか。

長い長いブナ立尾根の山頂が近づいています。

あと少し・・
最後のパワーです。

空が広くなってきました。

あれが山頂ですかね。1/12の標識があるはずなんですが、見落としてしまったようです。

烏帽子小屋に着いた、稜線の午後


11:20 烏帽子小屋に到着しました。

さりげなく0/12の標識を見つけました。

テント場はこちら。これから設営に入ります。

高瀬ダムが遠くなりました。

三ツ岳に続く稜線です。槍ヶ岳が見えそうなので、後程探索してみようと思います。

これから、あの烏帽子小屋の向こう側にある烏帽子岳へ向かいます。
山頂が見えてますが、あれがニセ烏帽子(前烏帽子)でしょうかね。


烏帽子岳へ、槍ヶ岳を探しながら

前烏帽子からの烏帽子岳です。
ここから見ると槍ヶ岳のようですね。




ここからも高瀬ダムが見えます。

高瀬ダムの奥には大町市など、大糸線沿線の街並みが見えます。
三ツ岳の先に見えた、憧れの山々


時間があったので前烏帽子から三ツ岳付近まで来てみました。
槍ヶ岳が綺麗に見えています。

見ずらいですが前回挑戦した表銀座が見えてます。
左端が燕山荘、真ん中が大天井岳でしょう。

烏帽子小屋あたりからこの景色は見れないので、来てみて正解でした。
時間も烏帽子小屋から1時間かからないくらいです。



燕山荘です。
肉眼では厳しいですが、望遠レンズで確認できます。




烏帽子小屋のテント場まで戻ってきました。
人が結構増えてきましたね。

18:15 本日はこれで終了です。
明日は野口五郎岳、水晶小屋を目指します。
朝焼けの稜線から、野口五郎岳へ

5:30 烏帽子岳からひとまず野口五郎岳を目指します。
高瀬ダムの方角から朝日が昇ります。




7:15 三ツ岳を超え、比較的なだらかな稜線を歩いています。

お花畑の道を選び、野口五郎小屋へ


7:15 お花畑、稜線コース分枝にきました。

お花畑ルートを選択します。

お花畑コースを選択しましたが、この時期はほとんど花は咲いてませんね。

時期によってはすごい景色が見れそうです。

野口五郎小屋までかなり近くなってきているはずです。

野口五郎岳から、水晶小屋へ続く道


8:50 野口五郎小屋に到着しました。

野口五郎岳山頂もすぐそこです。

9:20 野口五郎小屋を後にします。
小屋で隣にいた女性の方と会話する機会があり、ブナ立尾根で手首を捻挫してしまったなどと話していたら湿布を頂きました。
湿布一枚とはいえ、ブナ立尾根からの長い道のりを苦労して背負ってきた荷物の一部ですので、頭が下がります。親切な方と出会えて幸運でした。

9:25 野口五郎岳山頂に到着しました。

野口五郎小屋からはあっという間です。

望遠ですが、燕山荘が近くなってきました。
これから水晶小屋に向かいます。


途中で槍ヶ岳もしっかり見えてます。



こちらは鷲羽岳でしょう。



雷鳥に出会った、天気の変わり目
11:15 野口五郎岳と水晶小屋のほぼ中間地点に来ています。


周囲に溶け込んでいますが、雷鳥です。これから天気が下るのでしょうか。

正面に鷲羽岳、あの稜線の右側が水晶岳です。



本日ゴールの水晶小屋が右上に見えてます。


東沢乗越を過ぎたあたりから、水晶小屋までの最後の急登です。
これが最後の最後で相当きつかったです。
水晶小屋で迎えた、静かな夕暮れ


13:35 水晶小屋に到着しました。

野口五郎岳からの稜線。

キツかった急登を見下ろします。


高瀬ダムの方角です。

今回は行く予定はないですが、いつか挑戦したいです。





一旦小屋に戻りました。

天井が低いので頭をぶつけないよう注意が必要です。

17:30 水晶小屋の夕暮れです。


天気は下り坂のようです。
明日の予報は雨です。







夜になりました。本日はここまでです。
明日は水俣山荘を目指します。
土砂降りの朝、黒部源流へ


7:40 水晶小屋を出発し、三俣山荘までのほぼ中間地点まで来ました。
天候はほぼ土砂降りです。



8:15 ここが黒部源流のようですね。

「三俣山荘」の道標の一部が飛んでますが、三俣山荘へ向かいます。
雨の三俣山荘で、山に身を預ける


9:00 水俣山荘に到着しました。

まだ時間が早いですが、天候が悪いため本日はここでテント泊します。

白い霧の中、鷲羽岳へ


6:40 天気は小雨でよくありませんが、せっかくなので空身で鷲羽岳に登ってみました。
1/3くらいの地点にきています。


7:40 鷲羽岳山頂です。
水俣山荘から鷲羽岳山頂までは約1:30分です。
晴れていれば楽勝ですが、景観はこの通り真っ白です。
景観もないので下山します。
8:40 三俣山荘に戻ってきました。中途半端な時間ですが、食事休憩にします。


雲がほどけた三俣蓮華岳への道
10:55 若干天候が回復してきたのでテントを畳んで三俣山荘を後にします。
三俣蓮華岳に向かいます。


11:20 水俣蓮華岳までの約中間地点まできています。

ようやく鷲羽岳が見えてきました。
少し青空になってきました。

山頂までもうひと踏ん張りです。


12:10 三俣蓮華岳山頂に到着しました。
山頂はやはり真っ白ですね。
これから双六小屋へ向かいます。
双六小屋へ下る、広い山の景色


双六小屋までの約半分の地点です。
※今回は双六岳を迂回しています。条件がよければ双六岳からの槍ヶ岳が素晴らしいらしいので、そちらをお勧めします。

天気は微妙です。


双六小屋が見えてきました。
ここから急斜面を下ります。


14:30 双六小屋に到着しました。






17:30 日が落ちてきました。




本日はこれで終了です。
明日は条件がよければ槍ヶ岳方面に行ってみようと思います。
悪ければ下山ですかね。
雨の樅沢岳で、先へ進む足を止める

6:20 雨が降っています。
天候が回復する可能性もあるので、槍ヶ岳方面に登っていこうと思います。



7:30 樅沢岳まで来ました。天候は回復どころか、さらに悪化したためここまでで断念します。
鏡平へ、見えなかった逆さ槍


8:30 双六小屋から鏡平経由で下山することとします。

9:10 弓折岳分枝というところに来ました。
鏡平方面に向かいます。



10:20 鏡平山荘に到着しました。

鏡池です。
天気がよければここからは逆さ槍が見えるはずですが、残念ながら本日は見れません。
昼食をとってから小池新道で下山します。


12:20 このあたりは地図上は今下山している小池新道と秩父沢という沢が合流する地点のようですが、あまり水量がないですね。時期によるのでしょうか。


わさび平を抜けて、新穂高温泉へ


13:45 わさび平小屋を過ぎました。

ここから新穂高温泉のバス停があるはずなので、そこを目指します。
今回の山旅は後半が悪天候になってしまいましたが、前半で槍ヶ岳、水晶岳、鷲羽岳など周辺の山々が見れたので満足です。今回はこれで終了です。
山情報
場所
| 烏帽子岳 | 長野県上田市真田町本原 |
| 野口五郎岳 | 富山県富山市有峰 |
| 鷲羽岳 | 富山県富山市有峰 |
| 双六岳 | 岐阜県高山市上宝町金木戸 |
| 鏡平 | 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂 |
近隣の山
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周辺の山小屋(半径5km以内)
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- 宿泊/テント場料金は?
- 温泉/風呂はある?
- 注意事項は?
などの詳細な情報は以下に記載しています。
コース
高瀬ダムから新穂高温泉へ
2日目(2018.8.26)
高瀬ダム→烏帽子小屋
特徴
- ブナ立尾根は日本三大急登(ブナ立尾根、西黒尾根、黒戸尾根)のひとつ。
- ブナ立尾根は特に危険個所はないが、単調で休憩個所が少ない。
- 野口五郎岳から水晶小屋までの最後の傾斜は厳しい。
アクセス
行き
JR新宿駅から高瀬ダムへ
持ち物
今回使用した持ち物は以下です。




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